とらないための子ども写真の撮り方:9日目

こんにちは!

今日はスマホで色を正確に撮りたいときにできることについてです。

内容がシンプルな分、欧米人と日本人の物の見え方の違いの話やブルーライトの正体なども書きました。

ゆっか

そんな横道も楽しんでいただければ…!

本日も最後までお付き合い、よろしくお願いいたします!

もくじ

色合わせ、やろうと思えばどこまでも

写真の色と、実際のものの色を合わせる。

これは商業写真、特に商品写真を撮る人間にとっては、ひとつの勉強ジャンルと言っていいほど、それを実現するための知識や道具が溢れる問題です。

この色合わせ作業を「カラーマネージメント」というのですが、モニタから撮影時に一緒に写し込む色の目安となるカードまで、様々なツールがあることが、ググると一発で分かります。

いちお1こ持ってるけど、上位機種いっぱい…!!

うん、お高いですね!!!

これらは最終的に印刷物になる商業写真の場合には、ゴールがわかりやすいのですが、SNSなどのウェブ、最終的にモニタで見るための写真の場合、これが結構むずかしい。

というのは、モニタの色って、みんなバラバラなんです。

欧米っぽい色合いで、欧米人は見えているわけじゃない話

スマホの色温度やパソコンモニタが元々設定している色温度(前々回参照)。

一般的に6500Kが多いですが、印刷業界用は5000Kだったり、テレビ放送の基準はもっと高かったりと、基準となっている色温度は全て同じではないし、使うほどにズレていくものです(だから検索結果にあるようなツールが必要)。

ちなみに海外のテレビ放送の色の基準は日本よりかなり低い(黄色っぽい)そう。

これは、欧米人が好む電球色のライトが日本人には暗すぎたり、コダックなど海外製のフィルムが黄色っぽく写るのと多分同じ理由で、西洋人の方が光彩が明るいために強い光に敏感であるためのようです。

手元にあった写真をなんとなくそんな色合いに調整してみた。
ゆっか

当時はそれがオシャレだということで、コダック(ポートラとか)で撮った彩度低めで黄色っぽい写真が流行ってました…。

一方瞳の色が濃い日本人は、色温度が高めで青っぽい白、鮮やかなもの好む傾向にあります。

こちらはフジフィルム風に調整。

欧米の方が見たら、青っぽく見えるのでしょうか?おもしろいですね。

意外に知られていないブルーライトの正体

眠りを妨げ、目を疲れさせるというブルーライト。

これは、晴れた日の昼間の色温度が高いことからわかるように、昼間の太陽の光に多く含まれています。だから、夜に浴びると体が勘違いして具合が悪い、という話なのですが、知らない方も多いのではないでしょうか。

いわゆるブルーライトカットモードやフィルムは、色温度を黄色っぽくすることでブルーライトをカットしています。たしかにブルーライトカットって設定したりフィルムを貼ると、黄色っぽく見えますよね。

ブルーライトをカットするとは、すなわち青い光をカットすることです。何か特殊な人工的な電磁波だから危ないということではなく、単に浴びる時間帯の問題。

大抵のスマホはフィルタを貼るまでもなく、特別なアプリも不要。ブルーライトカットの設定画面からどのくらい黄色っぽくするか=色温度を調節が可能です。

Androidスマホの設定画面。色温度まで細かく設定できる
うちのPCのモニタの設定画面。こちらも同じ感じ

というわけで、ブルーライトに関しては特別なフィルムとかを貼らなくっても対策できるよ!という話でした。

自覚はしても、誤差と思って適当に付き合う

というわけで話を戻しますと、色温度は人種、モニタによってバッラバラ。多分、一人ひとり色の見え方は違うということ。

ゆっか

ブルーライトモードにしていたら、同じ人が同じスマホを見ても、色味が違って見えますしね…。

では、見え方はモニタによって違う、を前提としてできることは何でしょうか。

それは、最初から標準の色温度である、昼間の太陽の下で撮ることです。

シーリングライトでは絶対に勝てない戦い

スマホで色を正確に撮るためにできる、シンプルな方法。それは、

太陽が出ている日の直射日光が当たらない場所で、部屋の電気を消し、無彩色の服、壁の近くで、午前9時から3時までの間に撮ることです。

正直、スマホの性能がよくなったからと言っても、シーリングライトでは、あらゆる工夫を凝らしても、アプリで色温度を調整しても、加工感がない状態で、正しい色でいい感じに仕上げることはかなり難しいと言わざるを得ません。

実際に比べてみれば一目瞭然。

↓外光もやや入る室内で、シーリングライトの下で撮影したものを画像調整

↓外光が入らない電球色のライトの下で撮ったものを画像補正したもの

ここまでだと、まあこんなもんかな?と思うでしょう。

でも、おひさまの光だけで撮った写真を見てしまったら、最後です。

↓午後2時ごろ、窓際で外光のみで撮影したもの

全っ然違う!!お天道様 イズ ザ ベスト!!!

そもそも光の向きが違う、というのもありますが、外の光だけで撮った写真と比べると、イマイチな印象は拭えません。

画像処理で背景を白くしようとしても、複数の色温度が混じってしまった事による色ムラや濁りは簡単には消せないのです。

どんなにスマホが進化しても、アプリが優秀でもワンアンドオンリーの太陽には勝てない。超えられない壁が、ここにあります。

写真がうまくいかないのはあなたのせいじゃない

リアルのレッスンでの相談も、写真がイマイチにしか仕上がらない大半の原因は「部屋の明かりで撮ろうとしている」ことでした。

カメラの機種でも、使い方を知らないことでも、ましてや本人のセンスでもない。それなのに、自分が下手だからだと思い込んでいる悲劇のなんて多いことか。

多くの人は、9時から3時までって、家にいないですよね。めっちゃオンタイムすぎる。で、家で撮りたいな、と思う瞬間は、大抵帰ってきた後、夕方から夜にかけてです。

家族で頑張って作ったごちそうも、大抵は夜中である。

意識して時間を選ばない限り撮りたいときは、ほぼキレイに撮れる条件が整わない…!!

これ、技術の問題ではありませんよね。

無駄な努力をしないために知っておきたいこと

なのに、写真の良し悪しが、撮影者の才能や腕一本に委ねられているように勘違いされたまま、それを知っている側の人間がそれを黙っているのはなんだかなあ、と思ったりします。

ゆっか

それが気持ち悪くで、こういう記事を書いているのかも…。

写真は手間が9割

シャッター切るのは1秒以下。その準備は、小道具準備から、絵コンテ作りまで、やろうと思えばどこまでも…。

表現したい内容に沿った場所、時間、条件を選び、小道具を揃えてその瞬間に全感性を研ぎ澄まして迎え撃つ

それだけの手間を惜しまないエネルギーと集中力の総量。それが撮影者が金銭を受け取る代わりに捧げるものです。特にデジタル時代になってからは、長年の修行なしには身につかない芸や特殊技術を提供している撮影者は、ほんの一握りだと思います。

それは逆から見れば、技術を身につければ、いつでもどこでもシャッターを押すだけで最高の写真が撮れる、ようになるわけでもないということでもあります。

それなりの写真にしようと思ったら、どこまで行ってもそれなりの手間がついて回るんです。

ゆっか

何年やっていても、永遠の初心者感がありますね…。

自分の活動のfacebookページのバナー用の写真は、動く子をおんぶしながら必死で撮ったけど、こんなん毎日やりたくない

でも、そんな手間は、暮らしの写真にいちいちかけられませんよね?

だから、キレイに撮れる条件を知り、それ以外の時は記録写真として「キレイに撮ろう」という気持ちをバッサリ切り捨てることも、幸せに生きるためには大切なのではないでしょうか。

ゆっか

そもそも、暮らしを侵食してまで手間かける必要なんかないと思う…!

これからも、写真に時間をとられないために

というわけで、とらない写真の撮り方的には、色を正確に撮るためには、昼間の時間帯に、部屋の電気を消して撮る

そして、部屋の明かりがないと撮れない時間帯に撮る写真は、どう工夫してもイケてる感じにはならないので、記録用と割り切って、一切がんばらない!!

日々の子どもの遊びの記録はこんなもんでOK!子供と話しながらだから手元もちゃんと見てないし、補正すらなし!

いい感じの写真を撮ることより、超不利な条件のなかでそれと知らず、いい感じの写真を撮ろうと足掻いて、大切な時間を無駄にすることを避ける、そのための方法を伝えることが、このシリーズのミッションだとも思っています。

ゆっか

「無駄な努力はしない」精神で…!

基本編はこれで終了。次回は「水を生かした絵作り」についてです。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

※この記事は、2021年3月にnoteに書いた内容を加筆修正したものです。

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