とらないための子ども写真の撮り方:7日目

こんにちは!
前回は、カメラで子育て中の怒りや絶望を乗り越える方法をご紹介しました。

今回はまた撮り方にもどり、テーマは色温度。その色温度をコントロールする「ホワイトバランス」の使いどころについて解説します。

色温度?知ってるよー。って方も、いらっしゃるかと思いますが、今回は何K(ケルビン)が太陽光だとか、そういう数字的なことはさらっと流し、主に「どう使うか」にフォーカスしてご紹介します。

このシリーズでは、基本、写真の撮り方の本によく書かれているところは「ググればわかる」とことばかりなので、テキトーにしか書きません。

↑ね、こんなに出た

その代わり、撮り重ねることではじめて気づく、初心者と自分なりにカメラを道具として使いこなせている人とのギャップにあるものの正体、なんとなくオシャレ感のある「それっぽい写真」ではなく、真に自分の暮らしと未来にとって価値を重ねていける写真の撮り方に焦点を当てております。

初心者なら何らかの気づき、長い経験のある方なら共感があるのではと思っています。

うん、なんか前回のアツさが残っているような気がしますが、今日も、何卒最後までお付き合いくださいませ!

もくじ

青っぽく撮るか黄色っぽく撮るか

色温度とホワイトバランス。それは、難しく語ろうと思えば、どこまでも専門家っぽく語ることができる領域。

色温度(いろおんど、しきおんど、英語:color temperature)とは、ある光源が発している光の色を定量的な数値で表現する尺度(単位)である。単位には熱力学的温度の K(ケルビン) を用いる。

Wilipediaより

ホワイトバランス(英: White Balance, Color Balance)とは、テレビ受像機やデジタルカメラにおいて、色温度を調整することをいう。白いオブジェクト(紙や壁など)を表現した際に、青みや赤みがからないよう調整されることから、ホワイトバランスと呼ばれる。

Wikipediaより
ゆっか

一応引用したけど、テストに出ません。ここは(↑)読み飛ばして次行きましょう!

ホワイトバランスとは、さまざまな色あいの光源のもとで、望んだ色調の写真を得るためのカメラで調整する尺度のことです。主に、目の前の白いものを、写真でも白く写すために使われます。

ですが用途に特化して簡単に言えば、色温度は「光の色」、ホワイトバランスは「写真を青っぽく見せるか、みたまんまの色にするか、黄色っぽく見せるか」を選ぶためのツールです。

昔はデジカメで撮るとき、「白を白く写すため」に、このパラメータをいじることがよくありました。けれども最近のデジカメはスマホのものですら超優秀で、よほどの悪条件で撮らない限り、普通の人が使う範囲で「白を白く補正するためにいじる」必要はほとんどありません。

↑3年前にレッスン用に作った資料。一番左がオート。どうみても一番マシ

カメラが自動で補正しきれず、色がかぶって見える写真になることは今でもあるとはいえ、それはもはや「手動」でもそれを超える「ちょうどいい見え方」に仕上げることが無理なレベルで悪条件だったときで。

カメラのせいで色かぶり、というのは少なくとも自分の使っているスマホではありません。技術の進化ってすごいですね!

ゆっか

上の見本写真、実は講座でホワイトバランスの調整の仕方を教えるために撮ってみたもの。そしたらオートが一番だったという。衝撃でした!

それでもあえて色温度についてさらっと説明してみる

ホワイトバランスのツールとしての使い方を説明する前に、一応色温度とはなんぞやを、簡単になぞっておきましょう。

色温度とは!

およそ「晴れた日の空の色」から「ローソクの光」までの範囲の光の色の変化具合を、数値であらわしたもの。

単位はK(ケルビン)で、数値が高いほど色は青く、色温度が「高い」といい、数値が低いほど赤くなり、色温度が「低い」といいます。

↑PCソフト代表のアドビのLightroomでは、こうして数値で設定できる。

どのくらいの数値が使われているかというと午前中の太陽の光の色(昼白光)とされている5000K~正午の太陽の光の色(昼光色)とされている6500Kのエリアをニュートラルな光の色の基準(白)として、上(青くなる)はだいたい8000、下(赤くなる)は2000くらいの範囲ですが、マニュアルで設定する人以外は使わないので、数字は忘れて下さって結構です

Snapseedのホワイトバランスは右上

白い紙が白く写るのはニュートラルな光の色で撮ったときだけ。色温度が高くても低くても、白い紙は白く写りませんが、人間の目は、大体において自動でその色が補正され、余程極端でない限り、白く見えます

ゆっか

人間の目ってすご…!!

そのために目で見た印象が写真に反映されず、ずれてしまう。これを補って、白を白く写すために色温度をカメラ側で調整する機能としてあるのが、「ホワイトバランス」です。

スマホ撮影でホワイトバランスを使う目的は主にひとつ

ホワイトバランスを使う基本的な目的はだいたい3つ。

  • 撮影時に色温度の低いところで撮るときに色温度を低く、色温度の高いところで撮るときは高く設定することで、被写体を本来の色で撮影するため
  • 連続して撮るときに、オートだと毎回少しずつ色温度の設定が動いてしまうので、自分が撮りたい色温度で固定するため
  • あえて青っぽく、あるいは黄色っぽくして自分が見た、あるいは表現したい印象に近づけるため。
商品撮影の例。こういう写真は、絶対に色被りしてたらマズい

この3つのうち、上のふたつは、色を「正確に表現する」ための使い方。カタログの商品写真で、商品の色が実物と違ったり、同じ場所で撮っているカットなのに一枚ごとに背景の色が微妙に違ったら気持ち悪いですが、暮らしの写真については、そこまで色に厳密である必要もないでしょう。

なので、とらない写真の撮り方的には、ホワイトバランスは「あえて」色を重ねて、表現したい印象に近づけるため、だけ使うツールである!!!

として勝手に位置づけさせていただきます。

ゆっか

写真学校の先生にこんなこと言ったら鉄の三脚で殴られそうな暴言ですので、ここだけの話ですよ…

ホワイトバランスを変えてみた!ビフォー&アフター

というわけで、早速実例を見てみましょう。
あなたはどちらがいいと思いますか?

まずは、ホワイトバランスのパラメータをあげて、青っぽくしたもの。

次は、ホワイトバランスのパラメータをあげて、黄色っぽくしたもの。

どうでしょうか?

好みはあると思いますが、答え、出ないですよね。。。
そもそもこの写真が気に入らないとか、いろいろ文句はあると思いますが、

表現に正解はありません

ただ、正解はないといっても、受ける印象は同じではないはず。どう違うのでしょうか?ちょっと感覚に意識を向けて、色に潜むイメージを感じてみましょう。

嫌われないニュートラルの、その先へ

高い色温度=青系は、強い太陽の日差しの色。遠くまで見渡せる広い空間をイメージさせる色。憧れ、悲しみ、未来。どこか冷たさを感じる、心理的距離は遠い色。

低い色温度=赤系は、ろうそくの火の色。血に通づる命の色。室内や夕方など限られた時間や空間の色。懐かしさ、切なさ、過去。温かみを感じる、心理的距離が近い色。

使われどころにもよるでしょうが、その光が象徴する自然界での経験に結びついて、光は特定の印象を写真に重ね合わせます。

それは、前に説明した距離や高さとも同じです。

距離や高さは、まず「ニュートラル」からはじめることが大切であるという話をしました。

光も、「白いものが白く写る状態」が基本です。

牛乳が赤っぽかったり、青っぽかったらおいしくなさそう。

被写体からの位置的な基本の話に続いて、いきなりホワイトバランスに移ると話が飛ぶように思われるかもしれませんが、色温度は光における「ニュートラル」を決める要素のひとつ。

そして、ホワイトバランスは、後からそのニュートラルな写真を、変えることができるツールです。

ニュートラルな写真は、視点が他人目線にリセットされているので、基本万人に不快感を与えません。オシャレなものはオシャレに、日常の一コマもそれなりに写せます。

すべては見る側に委ねられています。

「そこにわたしはいません」

有名な歌の歌詞ではないですが、撮ったあなたは死んだも同然。今までの主張をひっくり返すようですが、ニュートラルな写真にも欠点があります。

高さも、距離も、色もニュートラルな写真。これを撮ることは前回書いたように、感情的な自分から離れ、閉じた自分だけのものの見え方から開放されるのに役に立ちます。

そういうコンセプトで撮っていた作品群のひとつ。

でも、もしもニュートラルな写真「こそが正解」だと勘違いして、ニュートラルな写真「だけ」を延々と撮り続けるなら、撮ったあなたは写真で記録した「暮らし」のなかには存在しません。

そういうコンセプトのアートであれば、それでいいと思います。

でも、母親らしい距離や高さがリセットされた写真からは、子どもとの関係性も、母親だからこそのまなざしも、その気配を感じることができないのです。

ダイレクトではないからこそ伝わる色気をほんのりと

一度リセットされてしまった心理的な距離感やまなざし。これをホワイトバランスの色表現で、再び重ねてみましょう。

唇にそっと紅を引くように、写真に色を載せてみてください。

青… 母親とは別の、ひとつの別の生命体として感じる存在感。

黄… いつか思い出になる、ありふれた風景に漂う懐かしさ。

橙… ただだきしめたい、かわいらしさ(ド直球親バカ)。

どうでしょうか?

色がニュートラルだったら、ちょっとつまらないと思いませんか?

ニュートラルであることは、嫌われません嫌う対象である撮影者の気配が写真のなかに存在しないからです。被写体そのものに炎上要素がない限り、誰かの心の毛並みを逆撫ですることはないでしょう。

でも、誰かとシェアするための「よそゆきの写真」であれ、「いつか家族と一緒に振り返る写真」であることには変わりはないはずです。

そのママとしてのまなざし、心の距離は、残しておく価値があります

主観性から自由になった心で、もう一度写真に向き合い、そのときを振り返り、少しだけ、色を添える。

ほんのり、じんわり伝わる自分の視点。そっとメモするような気持ちで、重ねてみてください。

気ままに書きすぎて過ぎて次回に続く…!

なんか前回の流れを引きずって、全体として導入辺となってしまい具体的なテクニックまで届かず、申し訳ございません!

でも、でも、言わせてください。ツールを使う前に、ツールを使う目的をはっきりさせておくこと以上に、大切なことはない、ということを…。

この破れたシーツ、実は無漂白の麻。立ち入れない子どもの世界を表現するために青に振った。元の色味なら印象は全然違うはず。

ただツールを使うだけなら、プロ向けのテクニックですら、ググれば1秒以内に出てきます。

でも、「何を表現するか」がなければ、どんなテクニックを駆使しても「これでいいのかな?」と正解を求めて常に迷い続けることになります

記事中にも書きましたが、表現に正解はありません。正解を求めることは、袋小路を目指して走るようなものです。

迷いながらの人生もいいですが、自分の子どもの今を撮れるチャンスは一度切り。

その二度とない瞬間を撮れた!と心の底から思える感動をぜひ味わって欲しい

そんな思いで書いておりますので、前置き毎度長いですが、今後ともよろしくお願いします!

次回、ホワイトバランスで色をのせるときにキレイに仕上げるコツ、その次にはそれでもスマホで色を正確に撮りたいときにできることを書いてきます!

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ゆっか

クオリティ高めの写真を仕上げたい方は、ぜひご一読を…!

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